2015 → Spring / Summer Collection 出会ったような、前から持っていたような服
“日常の特別な服”を作りたいと始めて、
今シーズンの春夏がお店に並ふ頃には20年が過ぎようとしています。
試行錯誤の中、物を作る人に支えられ
テキスタイルや形を日々作ってくることが出来ました。
沢山の経験の積み重ねは、多くの知識と技術的な理解
そして未来への想像を私達に与えてくれました。
今は更に物作りの可能性が広がり、試みたいことが湧き出るのを感じます。
その上であらためて、私達の作る物は
日常性の中に留まることに意味があると感じています。
それは、存在感として日常の景色に溶け込むような服であり、
日常の心持ちを豊かにするということを意味します。
日々の時間の中で身に纏っているその服が、気持ちを助けるような服。
そのような服を作るとはとういうことか、考えました。
新しさでも難しいテクニックでも単なる驚きでもない。
“出会ったような、前から持っていたような服。”
そして、着るたびにその服と光景が記憶されるような服。
そのような服を作るということの意味を、私達の服が担えるならば
私達がこれからも物作りに励むことに
意味と喜びを見出していけるのではないかと感じています。