Helix Shimpei Yamagami

写真家 山上新平さんの、初の写真集となる「Helix」。Helixは螺旋を意味し、写真集はモノクロームとカラー、二つの風景のシリーズから構成されています。

作家の地元である鎌倉にて2014～2015年に撮影されたモノクロームのシリーズ、SPECTRUMは徹底的に被写体の命と向き合い続けるなかで生まれたものです。場に対する個人的な感情や記憶を徹底的に削ぎ落として制作された写真たち。その撮影の際、作家は被写体の命から多くのものを得たと言います。

SPECTRUMの後に同じ場所をカラーで撮影したシリーズ、The Disintegration Loops。同シリーズは写真を引き算でとらえ時と光を大切にしてきた作家が色にも向き合って制作したものです。作家がSPECTRUMの被写体から得たものに呼応してつくられました。

今回、SPECTRUMとThe Disintegration Loopsという二つの当時のシリーズを、作家の今の眼差しで再制作・再構成されたのが「Helix」です。「自身にとって大切なことは、場ではなく時であり、自己ではなく被写体であり、そこへの眼差しの強度でここまでつくってきました」と山上さんは話します。写真と命を同じところに置く写真家・山上新平さんの、写真に込められた眼差しの密度を作品から感じていただければ幸いです。

サイズ：縦35cmm 横26mm 厚み22mm（ハードカバー、スリーブ入り）
ページ： 160ページ　
アートディレクション：サイトヲヒデユキ
出版：皆川明