*かごには何も入っていません。

"petal flame" 2017-18aw

"petal flame" 2017-18aw
ペタルフレーム:花びらの炎(英語)

ロウソクの火が微かな風を感じて揺れ動いている時、一片の花びらのようにいつも見えている姿を、いつか刺繍のデザインにできないかと考えていたのと同時に、民族衣装の柄の様にその地方にとって大切にされ、ある意味を持ったモチーフがデザインされ、繰り返されて作られる伝統的な柄の様なものができるとしたら…と想像しながら描き上げたデザインです。伝統と言えるまでには遥かな時間が必要ですが、その種になってくれればいいなと想いを込めています。

ロウソクや暖炉の炎が持つプリミティブな灯りを見ていると、過去も未来も、更に時空を超えて容易に広大で深い空想の世界に浸ることができるなと感じます。マッチ売りの少女もきっと同じ感覚を大晦日に感じていたに違いないなとも思うのです。

誕生日やクリスマス、お祝い事がある度にケーキの上にロウソクを立てて願いを込めて、ロウソクを消すという儀式のような事を小さい時からずっと行っていますが、未だにロウソクの火が消えないか、ロウが垂れてケーキに付きやしないか事前の心配事が多すぎて、真面に願い事なんて考えられたことがありません。

それでも、その灯火が想いや願いの空気で周りを包んでいることを感じることができる素敵な儀式だなと思って、今年もロウソクの火を吹き消す心の準備だけは万端にしておこうと思います。

text by Keiko Tanaka

photo by sono