*かごには何も入っていません。

"mermaid" 2000s/s

"mermaid" 2000s/s
マーメイド:人魚(英語)

"mermaid" は、まだ直営店のない頃の初期の図柄です。刺繍の連なっていく表現が、波模様を描くのにぴったりだと感じて描いてみました。当時は生成のリネンに明るいブルーと白の刺繍糸の2配色で作られました。

波の不揃いな感じを出したくて、少しずつ違う波形を描いていた時の気持ちやアトリエの景色を、もう20年も過ぎた今でもはっきり覚えています。その時は、シンプルなノースリーブのワンピースと、Aラインのスカートとブラウス、パンツを作りました。サイズもまだワンサイズしかありませんでした。

このシーズンから装苑が取り上げてくれて、そこから連載「旅のかけら」が始まりました。文章を書くことは、当時とても不慣れで800文字の原稿を書くのも苦労したのを覚えています。いつも締め切りの夜中まで書いていました。それでも自分のデザインへの想いを伝える場があるということは、とてもありがたかったしうれしかったです。

"mermaid"は、"tambourine"や"bird"や"choucho"などとおよそ同じ頃に生まれ、今までつくられ続けている代表的な柄のひとつになっています。ファッションの世界でも、デザインが長く愛され作られ続けていくことを想いながら作ってきた柄達が、20年の歳月を経て、これらのデザインは、これからの時代の中でどのように調和しながら変化して暮らしに溶けこんでいくのか楽しみです。

text by Akira Minagawa

photo by sono

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