*かごには何も入っていません。

6/14 旋律の絵

数百年の時を経た
旋律を目を閉じて
連なる音の姿を
形に
色に
風に

心の中の奥の見えない
暗闇の中で想ってみる

音は

幼少の頃の燻った
行き場のない苦みと
旅の空腹と今日の混沌を
笑い話のように奏でて

泡のように消えていった

瞬間が遠ざかっていくのを
目を閉じていれば見えることを

絵にすることは
できるだろうか

数百年の時を経た
旋律の中でなら

archive