*かごには何も入っていません。

8/31 海馬の森

霧の中に森があり
そこには微かに聞こえるか
時には聞こえないか
というような鳴き声で
囀る鳥が互いを予感しながら
棲んでいる

霧の粒子はその音色の粒を
くるんでモミの木の葉
の先に腰かけた

静寂と霧の中で具体の
輪郭は曖昧となり
溶け合うように
そこに在る

そんな日は
夏の終わりに
ふさわしいのでは
ないかと

あの森は
もう海馬からも
遠く離れた
箱の中に
しまわれている

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