*かごには何も入っていません。

2/2 それぞれのそれぞれ

湖は木洩れ陽を煌かせ
少し澄まして映る
流れる雲と
空を眺めていた

池は底泥に潜って
寝ぐらにしている
明日を想うことを
とうにやめた
あの一匹の鮒を
気にかけていた

それで私はというと
心につっかえた
魚の小骨のような
あの日を
ご飯を飲み込んで
押し流すように
どこかへいって
しまわないかと
思案していた

この冬は遠い山肌に
雪が降り積もらなかった

暖炉の脇に置いといた
ジャガイモがよい頃だろう

ちょっと怖い夢でもみそうな
気がしていつもより強めの
ウヰスキーでも飲んだって
明日はきっといつもと変わらぬ
朝のはず

湖は木洩れ陽を煌めかせ
池は底泥に潜って
私は心につっかえたまま

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