making ceramics by Koichi Uchida and Akira Minagawa
Gallery 泛白 uhaku「白用品」/ KATACHI museum shop「黒ト線」
伊勢神宮、熊野古道にもアクセスのよい三重県のほぼ真ん中にある多気町。「気」は命を意味することから、「多くの気を育む場所」といわれていました。
そんな多気町にある食をコンセプトとした施設「VISON」。その中に「白」をコンセプトにしたギャラリー&ショップ〈Gallery泛白uhaku〉と、陶芸家・造形作家の内田鋼一さんが監修を務める〈KATACHI museum / shop〉があります。
〈Gallery泛白uhaku〉と〈KATACHI museum / shop〉にとって第一回目の企画展として、初めて内田さんと皆川が器を共同制作いたしましたので、その様子をご紹介いたします。

今回の企画展のテーマは、「白」と「黒」。 〈Gallery泛白uhaku〉では、コンセプトの「白」と日用品をかけまして「白用品」と名付け、〈KATACHI museum / shop〉では、白に対する「黒」をテーマに「黒ト線」と題しました。

今回、制作を行ったのは〈Gallery泛白uhaku〉に併設された内田さんの工房「STUDIO672」。

内田さんが制作した一点一点表情が異なる器に合わせて、皆川が彫りや絵付を施しました。

こちらは青い蝋の上から削って絵を描く蝋抜き(ろうぬき)という手法の制作風景。蝋を塗った部分が釉薬をはじくため、その部分が抜き模様として浮かび上がります。

皆川は、今回初めて内田さんと共にろくろ挽きや釉薬がけも行いました。 次第に手と身体のバランスが材料に慣れていく感覚をつかんだと言います。



普段から食にまつわる道具を世界中から収集している内田さんの作品は、曲線が美しく、大きくてもしっかりと手になじむものばかり。今回も、カタチや質感から内田さんが育んできた作風が伺えます。




皆川が「お皿に浮かぶ景色を思うままに描いた」というユニークピースたち。


お皿以外にもさまざまなアイテムを制作し、150点ほどの作品が生まれました。
制作を終えた内田さんは、「同じものづくりとして本当にいい刺激をいただいた」と語ってくれました。「今回、一緒に作業をしている側で仕事ぶりを拝見し、たくさんお話をしたことで、皆川さんの仕事に対する姿勢や取り組み方や集中力には、頭が下がる思いです。そんな作品たちをゆっくりと丁寧に味わっていただけたら嬉しいです。」
内田さんも皆川も、手間をかけて作られた料理が好きだといいます。
それは二人のものづくりにも通ずる部分でもあり、この器にどんな風に盛り付けようかと
想像を膨らませながら仕込みをする時間は、楽しくて豊かなひとときとなりそうです。
器の作品は2期の会期中(2022年7月9日~)にもご覧いただけます。
ぜひ、お運びくださいませ。
photograph: Norio Kidera