2021-2022 → Autumn / Winter Collection Dear coincidence
愛しい偶然。
思考と手と道具が作るという時間の中で紡いでいく偶然という痕跡をデザインの出発にしてみる。
個人や社会の情報は解析され、新たな行動を導こうと提案される。
社会は最適解を求めて経済成長の合理性を追求していく。
その行く先をピカピカの球体のように磨きすぎると摩擦のないまま、計算された世界へ行ってしまうような気にふとなりました。
自分を生きているという実感は、意思や欲求が意図せず出会う偶然というものの中にも沢山あります。
偶然という様々な理由の混ざり合った事象が自分の意思と瞬間的に繋がり起こることは、自分の中に重なる新しい経験として新たな自分をつくります。
情報分析から導かれる解は社会を円滑にするでしょう。
しかし、それでも予測できない出来事が混在して生まれる摩擦熱のようなエネルギーが強い感情となって生きている実感になるということも手放さないように偶然という存在を大切にしてみようと思うのです。