*かごには何も入っていません。

3/31 雪と桜

窓から見える満開の桜は
今朝から舞う季節外れの白雪を
ことさら驚くこともなく
まるで幼子をおぶるように
花びらに受けとめている
無頓着に着地した雪は時折
花びらから滑り落ちては
枝を小さく震わせた

いつのまにか寝入った
午睡から覚めたころ
雪はすっかりやんでいて
花びらの上で戯れた木綿のような
玉雪も滴となって歩道へと
落ちては弾け、落ちては弾け
それはそれで楽しそうに
瞬きを謳歌していて
微笑ましかった


雪が解けてなお
満開の桜は花びらを散らすことなく
夜を迎え今宵の月光と
夜通し何を話そうか思案をしている
少し冷えたのだろう
武者震いするように枝をサワサワ揺らして
わずかに土に残る白い紙切れのような
雪をチラ見した

散るまでのあと幾日か
そうやって桜は
日々を受けとめて
いるのだろう

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